【四天王寺中学校とは】入試情報&偏差値(2025入試用)
- 大阪府内の最難関女子中学校。全国でも最難関レベル。
- 四天王寺の境内に位置し、聖徳太子の和の精神を礎に全人教育を行っている。
- 住所:大阪府大阪市天王寺区四天王寺1丁目11番73号
- 定員:英数Sコース/約40名 英数コース/約170名 医志コース/約40名 (文化・スポーツコース/約20名)
- 受験は1回のみ。4教科と3教科の選択制、英数コースのみ専願有。
- 4科合計・国算理1.25倍・国算社1.25倍、のうち最高得点で合否を判定。(医志コースは国算社での判定は無)
- 偏差値
浜学園 | 日能研 | 能開 | 五ツ木 | ||
四天王寺 | 医志 | 58 | 65 | 66 | 72 |
四天王寺 | 英数S | 57 | 64 | 64 | 70 |
四天王寺 | 英数併願 | 56 | 58 | 57 | 67 |
四天王寺 | 英数専願 | 52 | 53 | 53 | 63 |
以下参考 | |||||
神戸女学院 | 1日目 | 58 | 61 | 62 | 71 |
清風南海A | S特進 | 56 | 60 | 64 | 71 |
同志社香里 | 前期 | 50 | 53 | 54 | 62 |
- 入試結果(2024年度)
国語(120) | 算数(120) | 理科(80) | 社会(80) | |
受験者平均点 | 81 | 80 | 44 | 56 |
合格者平均点 | 86 | 91 | 49 | 59 |
合格者最高点 | 107 | 120 | 80 | 77 |
医志 | 英数S | 英数併願 | 英数専願 | |
合格最低点 | 301/400 | 298/400 | 265/400 | 249/400 |
【徹底分析!】算数の傾向&求められる能力
●傾向
『計算』を除けば『規則性』『場合の数』『推理』『速さ』『平面図形』『立体図形』が頻出単元。ただ『速さ』『平面図形』『立体図形』はどの中学校でも頻出なので、特徴的なものでいうと『規則性』『場合の数』『推理』が挙げられる。特に『推理』の出題頻度は全国的にも高い。『規則性』や『推理』は出題されないこともあるが、『速さ』や『場合の数』の問題で『規則性』や『推理』の考え方が必要になる場合があるので対策はしておくべき。
中でも『場合の数』『速さ』『立体図形』は大問と出題されることが多く、難易度も高めなので、他の単元を確実に正解できる力を身に付けたうえで、『場合の数』『速さ』『立体図形』のうち一つは完答を狙う得意単元を作っておくべき。
●求められる能力:地道力
一言に『規則性』や『速さ』と言っても、学校によって求められている能力は異なるが、四天王寺中学校で求められているのはほとんどの単元において圧倒的に『地道力』。
『地道力』とは書き出し・調べ上げや計算を地道に正確に行う能力のことを指す。そのため『速さ』の問題も特徴的で、方眼用紙が問題用紙に書かれており、地道にグラフを書くことができなければ正解できない問題が出題される。その他『規則性』や『場合の数』においても天才的なひらめきよりも『地道力』が重視される問題が圧倒的に多い。また他の最難関女子校と比べて極端に高いわけではないが、問題文を理解する『読解力』も必要。
各単元の傾向(2013~調査結果)
各単元ごとに簡単に紹介。単元ごとの細かい傾向と対策は別の記事で追って紹介予定!
●計算
配点:低
難易度:低
出題頻度:毎年
2018は3問出題されたが、他は全て2題出題。内容は計算の工夫と逆算(2018は工夫1問と逆算2問)。
工夫の問題は地道に解くことも可能なので、もちろん完答必須。
●文章題(速さを除く)
配点:並
難易度:並
出題頻度:毎年
※速さは別で大問になるので、小問としての出題が多い速さを除く文章題についてまとめる。
幅広い単元から出題されスタンダードな問題が多い。仕事算(2022,2014,2012)と仕事算の派生のニュートン算(2024,2016,2015)は出題頻度高めではある。奇問は無いので、満遍なく基本的な問題を対策するべき。配点はあまり高くはないが、難易度は高くないので絶対に正解したい。
●推理
配点:並
難易度:並
出題頻度:並(他校と比べると高い)
他の中学校と比べて頻出であるが、絶対に出題されるわけではない(2023,2022,2019,2017,2014,2012にて出題)。
ただ他の単元の問題でも、『推理』問題に求められる読解力は必要になるので対策しておくべき。
●規則性
配点:高
難易度:並
出題頻度:高
2022,2021,2015,2014を除く2013~2024で出題。規則性問題でも求められるのは『地道力』、奇抜な発想は必要なくむしろ地道に書き出す力が求められる。その過程で規則を見つけ出す必要があることも有るが、奇抜な発想は必要なくあくまでも標準レベル。分数、約束記号、数表、方陣算的なものとジャンルは決まっていない。『規則性』の問題が出題されない年でも『速さ』等の問題で規則性の考え方が求められるので、対策しておくべき。
●場合の数
配点:高
難易度:高
出題頻度:毎年
こちらも『規則性』と同じで奇抜な発想や『場合の数』特有の特殊な計算方法は不要で、高い『地道力』が必要なので試験の残り時間を考え、書き出しを行うか、他の問題に時間を使うかの判断は大事。苦手ならば、簡単な問題だけ解答したうえで他の問題に時間を使っても良い。
●速さ
配点:高い
難易度:高い
出題頻度:毎年
速さと言えどほとんどが『旅人算』。流水算(2015)や時計算(2014)の出題はあったが、通過算の出題は無い。他校の入試では見られないような複雑なグラフの作図や、気の遠くなるような『書き出し』や『調べ上げ』が必要な問題が出題されるので、完答するには高いレベルの『地道力』を身に付けておく必要がある。ただし、高度な発想力は必要なく、あくまでも必要なのは旅人算の基本的な考え方だけなので、『図形』が苦手ならば得点源にすべく徹底的に対策するのも良いし、『速さ』が苦手ならば簡単な問題だけを解答して難問は飛ばしても構わない。
●平面図形
配点:高
難易度:並
出題頻度:毎年
他の最難関校(関西だと灘や洛南)と比べるとスタンダードな問題といえる、奇問が出題されることも少ないので特別な対策は不要、四天王寺の特徴である『地道力』も求められていないし『読解力』も必要ない。中学受験頻出の相似を中心に対策をし難関レベルの問題に触れておけば問題ない。
●立体図形
配点:高
難易度:並~高
出題頻度:毎年
『平面図形』とは異なり、年によっては非常に難しい最難関レベルの問題が出題される。ただし最難関レベルの問題が出題される場合、『速さ』と同じく複数の問題が出題され簡単な問題が①~②等にあるので、立体図形が苦手ならば簡単な問題を確実に解答し最難関レベルの最終問題は飛ばしても良い。
傾向としては立方体や直方体の『積み重ね』問題が多い。2019と2013では他校でも難問として出題される『電球と影』の問題が出題されているので、時間に余裕があれば対策しておくべき。『電球と影』の問題では作図を求められたり、『積み重ね』問題では切断やくりぬきが多く、それらを正解するためには高い『地道力』が必要。
総評:算数に自信が無くとも合格可能
最難関校ならではの高い思考力や奇抜な発想力が求められる問題は少なく、他の最難関校と比べると明らかに『発想力』より『地道力』が求められる問題のほうが多い。つまり合格するためには高い算数センスは不要、『真面目で努力家』な子であれば十分に合格点に達することはできる。
難関中として有名な四天王寺中だが、英数専願の偏差値や合格最低点を見ると、意外と受かりやすいことがわかる。「とにかく四天王寺中に行きたい!」という場合、英数専願の合格レベルには真面目に取り組めば絶対に達することはできるので、出題頻度の低い難問や奇問に惑わされずに是非チャレンジしてほしい。
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